友達に薦められて以前ドラマ化もされて話題になった
白夜行を読んだ。私はドラマを見ていないので話はほとんど知らなかったのだけど、ドラマは本に比べると評判が良くないみたいなので、先に本を読んでよかったかも。
19年前(1973年)、大阪で起きた殺人事件。しかし事件は迷宮入りに。被害者の息子・桐原亮司と容疑者の娘・西本雪穂は、その後別々の人生を歩んでいくのにも関わらず、周囲には怪しげな凶悪犯罪が渦巻く…。というミステリー長篇。主人公の二人が子供のころから大人になるまでを描いているのでとにかく長いのだけど、謎解きの楽しみがあり、時代によって登場人物も異なり、だんだんとパズルがうまっていく感じでどんどん読み進めた。はじめは昭和から、時代背景をうまく取り入れているので、だんだんと私でも「あ、これ懐かしい」といったものが出てきたりして、おもしろかった。
が、いくら子供時代のこの事件があったからといって、なぜ二人がここまで犯罪を重ねるに至ったかがよくわからず、最後もなんとも腑に落ちない感じがして、あまり共感はできなかった。犯罪の手口の鮮やかさ、雪穂のずるがしこさ、冷淡さが読んでいて非常に怖かった。